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吹奏楽名曲紹介

【吹奏楽名曲紹介】翠風の光 (長生 淳)

ヤマハ吹奏楽団委嘱による長生先生の「四季連禱」四部作の第三作で、夏をイメージした2002年の作品です。作品群の中で唯一、四楽章構成となっています。 作曲者によると、「夏、それも五月から定期演奏会の頃にかけての、陽の光が一際輝き、緑が映え、爽やかな風が心地よい季節を思い浮かべつつ作曲しました」とのことです。 一方で、「といっても、全四楽章からなるこの曲の終楽章だけが、そう言った『夏』を描いたもので、 […]

【吹奏楽名曲紹介】ディスコ・キッド (東海林 修)

時代を超えて愛さえる吹奏楽ポップスの定番 1977年全日本吹奏楽コンクール課題曲ではあるものの、そんなことは関係なく時代を超えて愛される吹奏楽ポップスの定番曲です。1970年代から出てくるようになったポップス系課題曲の最盛期の一曲です。というか唯一無二の「ポップス課題曲」と表現する人もいます。 どうやら、77年の課題曲の公募には入選作がなく、急きょ委嘱されて書いた曲のようですが、編成を変えたり、ア […]

【吹奏楽名曲紹介】詩のない歌 (R.ルディン)

「うるさくない吹奏楽の傑作」 1997年に発表されたこの曲は、メロディーの美しさが人気のゆったりした作品です。日本では「佐渡&シエナ」の「ブラスの祭典3」で国内初録音され、一躍人気となった曲です。 隠れた名作曲家ルディン ルディンは決して吹奏楽作曲家というわけではなく、ドイツのどちらかと言えば芸術音楽全般を扱っており、室内楽作品も数多く書いています。多くの楽譜が自家出版ということもあってか、この曲 […]

【吹奏楽名曲紹介】マゼランの未知なる大陸への挑戦 (樽屋雅徳)

近年、コンクールその作品が多く演奏される樽屋先生の代表作のロングセラーです。「マードックの〜」と並んで人気の高い作品です。 大航海時代、世界一周の途中で命を落としてしまったマゼランの魂がそのまま旅を続けていたら……という歴史の「if」をテーマにした、ドラマティックでエンターテイメント性に優れた映画音楽のサウンドトラックのような作品です。 もっとも、歴史を深く読み解くと、大航海時代の西洋の艦隊とりわ […]

【吹奏楽名曲紹介】フェスティバル・バリエーション (C.T.スミス)

「フェスバリ」ざっくり解説 かつての吹奏楽愛好家の憧れであり、現在も絶大な人気を誇るスミスによる超難曲です。冒頭のホルンのユニゾンに代表される高難度のパッセージが散りばめられ、どのパートをとっても難易度が高い名曲です。 「華麗なる舞曲」、「ルイブル」でおなじみの作曲家による「ホルンへの嫌がれせ」との逸話のある曲です。ワシントン空軍バンドの委嘱で初演は1982年ですが、スミスの学生時代のライバルがホ […]

【吹奏楽名曲紹介】交響詩「スパルタクス」(ヴァン・デル・ロースト)

「スパルタクス」ざっくり解説 「指輪物語」でお馴染みの世界的吹奏楽の巨匠ヴァン・デル・ローストの作品を日本に知らしめた大事な曲です。今でこそヨーロッパの吹奏楽作品が盛んに演奏されるようになりましたが、その先駆けとなった作品です。 近年は演奏される機械の少ないこの曲ですが、「カンタベリーコラール」をはじめ、ロースト作品は日本の吹奏楽のスタンダードとなりました。日本の吹奏楽の世界地図に「ヨーロッパ」と […]

【吹奏楽名曲紹介】アッフェローチェ (高 昌帥)

「アッフェローチェ」ざっくり解説 春日部共栄高等学校による2014年の委嘱作品で、高先生のマインドスケープと対をなす形の、もっともっと知られてほしい素敵な作品です。 愛情深くという意味の音楽用語、「Affettuoso」と、荒々しくという意味の「feroce」をつなげた造語をタイトルとしており、優しく美しい愛の溢れる旋律と激しい情愛を感じさせる躍動感がヤミツキになる一曲です。 「作曲者の新たな側面 […]

【吹奏楽名曲紹介】追憶 Dreamfragment (江原大介)

「追憶」ざっくり解説 吹奏楽の世界というのは、「全国大会で金賞を取らないと見向きもされない」という悲しい風潮が少なからず存在します。この曲も埋もれてしまっていますが、大変旋律が美しいオススメの一曲です。 2011年にグラールウィンドオーケストラの移植によって発表された作品です。大変美しい主題が急緩急という構成で奏でられる、演奏効果も非常に高い作品で、どのパートにも仕事がある、大変オススメの作品です […]

【吹奏楽名曲紹介】「…そしてどこにも山の姿はない」(シュワントナー)

「…そしてどこにも山の姿はない」  この曲は、今となっては古めかしい単語となってしまった笑、「前衛音楽」というジャンルで、いわゆる現代的というか、既存の記譜や音楽の作り方に捉われない発想を用いた作品です。 楽器編成だけでなく打楽器を中心とした奏法、拍ではなく秒数を指定するといった特殊なコンセプトによる作品で、一般的な吹奏楽で演奏するのは議論を湧き起こしている曲でもあります。 「現代詩から着想を得た […]

【吹奏楽名曲紹介】ア・ウィークエンド・イン・ニューヨーク (P.スパーク)

「ウィークエンド・イン・ニューヨーク」ざっくり解説 ニューヨークのイギリス人 スパーク ブラスバンド作品や「宇宙の音楽」でお馴染みのスパークのエンターテインメント性バッチリの娯楽的作品です。演奏するのはそれなりに難しいですが、愉快で素敵な世界が味わえます ガーシュインの「パリのアメリカ人」ならぬ、スパーク版の「ニューヨークのイギリス人」といったコンセプトの曲で、スパークが街中で感じた「ストリート・ […]