【吹奏楽名曲紹介】スクーティン・オン・ハードロック (ホルジンガー)

ノリノリのジャズっぽい雰囲気に包まれた急ー緩ー急の三つの組曲からなる、ホルジンガーの代表作です。

タイトルは「ハードロック通りを駆け抜ける」という意味で、テキサス州でかつてメインストリートとして栄え、今では荒れ果ててしまった荒涼な通りをイメージした作品です。

副題に、「三つの即興的ジャズ風舞曲」とあり、ジャズのイディオムやニュアンスに富んだ面白い作品です。

編成が普通の吹奏楽と少しだけ異なるパートもありますが、比較的小編成でも演奏しやすい曲として親しまれています。

演奏のポイント

中高生がイケイケで吹いているのをみると簡単そうですが、意外と譜面は難しいです。変拍子やテクニカルなパッセージに彩られた譜面はかなり黒々としていて、初めて楽譜を見た人はうろたえるかもしれません。

しかし、同じパッセージを複数のパートが吹いていたり、変拍子も基本的にはメインのパッセージに沿った形で便宜的に変拍子が登場しているだけで、音源を聞いていればノリと感覚で吹けてしまいます。したがって、不思議とサクサク吹けてしまう譜面でもあります。

サックスやトランペットがかなり活躍しますが、中低音の金管がバリバリ吹くとまたドライブ感が出てイケイケ感が増します。ホルンやユーフォが大活躍するので金管に力のあるバンドはぜひ挑戦していただきたいです。

全パート通して、器用かつバリバリ強力な音圧を出せるパートが多いと素敵な演奏になります。パリッとシャープなアタックも求められるので、基礎レベルから考えてアプローチするとカッコイイ演奏になりそうです。

さらっと楽譜の音を並べるだけにするか、ジャジーに味付けするかは奏者のセンスに委ねられますが、使われているスケールはかなり特徴的ですので、かっこよく味付けして演奏したい作品です。