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2019年

【吹奏楽名曲紹介】吹奏楽のための祝典序曲「科戸の鵲巣」 (中橋愛生)

「科戸の鵲巣」ざっくり解説 今やコンクール曲としてお馴染みの「科戸の鵲巣」は2004年に防衛庁設立五十周年記念の委嘱作品で、長大編成を念頭において、中橋先生の独特の書法で書かれた作品です。 80人を超える超大編成を指定されていますが、コンクールではコンクールエディションの演奏が一般的になりました。2014年に東京佼成ウィンドオーケストラの定期演奏会で演奏されるための「〜〈Edition TKWO〉 […]

【吹奏楽名曲紹介】水文〜吹奏楽のための (中橋愛生)

毎年多くの吹奏楽オリジナル作品が発表されていますが、全国大会で金賞を取ることで話題にならないと、その後演奏される機会に恵まれないのが日本の吹奏楽界の寂しいところです。 この曲は、コンクールでも定期演奏会でも頻繁に新曲を披露してくれる鏡野吹奏楽団の2011年の委嘱作品です。 「水をテーマに描かれるライフストリームの世界」 タイトルにある水文とは、地球上での水の循環を表す単語で、その様子や、そのライフ […]

【吹奏楽名曲紹介】吹奏楽のための交響的印象「海響」(和田 薫)

作曲者の和田先生はあの伊福部昭の門下生となっており、ゲーム音楽やゲゲゲの鬼太郎といったアニメ音楽も手がける、大変多才な方です。 作風はオーケストラといった西洋のスタンダードな音作りに邦楽器や民族楽器などをとり入れたもので、「生音」第一主義というか、なるべく実在する音は本来の楽器を使うというポリシーを持っていらっしゃる方だそうです。 伊福部門下として純音楽にも力を入れており、伊福部作品の吹奏楽編曲な […]

【吹奏楽名曲紹介】交響組曲「GR」 (天野正道)

一昔前、あるいは二昔前?の吹奏楽界で「天野正道先生といえばGR!」なんて方も多かったのではないでしょうか? 今もなお愛され続ける天野先生の代表作が「GR」です。交響組曲第二番、第三番、「トレインチェイス・エディション」、そして「シンフォニックセレクション」と、様々なバージョンがありますが、まとめちゃいました。 「コンクール史上初のアニメ音楽?」アニメを観てなくても泣ける名曲 「GR」とは「ジャイア […]

【吹奏楽名曲紹介】パガニーニロスト・イン・ウィンド (長生 淳)

数多くの作曲家が魅了されてきた「パガニーニの主題」を長生先生が現代吹奏楽で紡ぐ、個人的に大好きな作品です。 元々は、サックスの須川さんのために書かれた、ピアノとアルトサクソフォーン2本による「パガニーニ・ロスト」という作品であり、それを東京佼成ウィンドオーケストラのために編曲されたのがこの作品です。 東京佼成仕様ということで、各パート一人ずつでも演奏できるように、それぞれのパートがなるべく等しく活 […]

【吹奏楽名曲紹介】紺碧の波濤 (長生 淳)

「紺碧の波濤」ざっくり解説 長生先生の「紺碧の波濤」は2011年の幕張総合の演奏でよく知られるようになりましたが、意外にも2005年に創価グロリア吹奏楽団に委嘱されて作曲された比較的歴史のある曲です。 「悲劇の英雄」をテーマとして与えられた作品で、西洋音楽の現代的な響きに彩られながらも、和風な雰囲気を感じさせる、独特な世界観を持った曲で、長生先生版のジャポニスムとも言えるでしょう。 かなり難易度が […]

【吹奏楽名曲紹介】風紋 (保科 洋)

「風紋」ざっくり解説 課題曲史上というより、日本の吹奏楽史上もっとも演奏されている曲の一つである、保科先生の代表作です。近年は演奏会やイベントなどで〈原典版〉が演奏されることが多くなりましたが、1987年の課題曲として大変なヒットとなりました。 キングオブ課題曲とも言われている作品ですが、現在では原典版からこの曲を知る人も多いように思います。いずれにせよ、日本でもっとも幅広い世代から支持されている […]

【吹奏楽名曲紹介】吹奏楽のための第一組曲(ホルスト) 

「吹奏楽のための第一組曲」ざっくり解説 吹奏楽の古典といえばこの曲!と言っていいほどの名曲です。この曲を知らずして吹奏楽は語れないと言っても過言ではないでしょう。 委嘱作品が多い吹奏楽ですが、この作品に関してはホルストが自発的に作曲した作品とされています。一部の楽器編成に改定が加われたり、伊藤康英先生による校訂版といった、いまだに研究されている作品ですが、ほぼ現代の一般的な吹奏楽の編成で書かれてお […]

【吹奏楽名曲紹介】ウィンドオーケストラのためのバラッド(高 昌帥)

「バラッド」ざっくり解説 西洋と朝鮮音楽の融合 この曲は2014年に西宮市吹奏楽団のために書かれた曲です。2015年に高校の部で二団体が演奏し話題となりました。技術的にかなり難しく、特にごまかしの効かないアンサンブルが必要な曲です。 西洋のタランテラと、朝鮮の伝統音楽を組み合わせながら場面が変化していく作品です。オーケストレーションや書法に少し工夫がされていて、正確なアナリーゼが求められる曲でもあ […]

【吹奏楽名曲紹介】ウィンドオーケストラのためのマインドスケープ (高 昌帥)

「マインドスケープ」ざっくり解説 心象風景という名の名作 A-Winds奈良アマチュアウィンドオーケストラの委嘱で作られ、作曲者本人による指揮で初演されました。2008年には日本吹奏楽指導者協会「下谷奨励賞」を受賞した名作として知られています。「心象風景」と訳される題名の通り、精神的な静と動、急と緩といった二面性が対比されており、それでいてそれぞれが有機的に繋がるという、非常によくできた作品です。 […]