【合奏のヒント】〜基礎合奏編〜 チューニング

チューニングって何?

そもそも論なところもありますが、チューニングって何でしょうか?様々な方法論が蔓延する吹奏楽業界だからこそ、しっかりと考えて行きたいですね。ここでは基礎合奏の前の段階でのチューニングについて少し解説します。

まず、チューニングとは俗に言う音程合わせです。吹奏楽ではB♭でチューニングを行うことが一般的です。基準となる音と音程を固定することで、全員の持つ基準ピッチを共有するとともに、楽器のチューニングを行うとされています。

が、これは提言なのですが、バンド全体のチューニングの前に、楽器のチューニングはそれぞれの楽器で9割ほど済ませておくことが重要だと思います。

基礎合奏のチューニングはバンドのチューニング!

吹奏楽のチューニングでB♭が使われる理由は諸説ありますが、吹奏楽で使う楽器の多くがB♭管であり、またフラット系の管が多いことに起因します。もっとも安定して鳴りやすい音です。

しかし、特に金管楽器に関していえば、鳴りやすい音すなわち「音程が多少ずれていても良い音で鳴りやすい」ことを意味します。また、B♭でのチューニングが必ずしも楽器本体のチューニングに有効でない楽器もあります。

したがって、楽器のチューニングは基礎合奏の前に済ませておき、基礎合奏の時のチューニングはバンド全体での基準音程の確認と倍音の確認に使いましょう。

倍音を頼りにチューニング

各楽器、個人のチューニングが済んだら全体でのチューニングを行います。これには倍音を使ったチューニングが効果的です。バンドの全員が「倍音」について理解していることが前提なのですが、ハモデ・チューナーに頼らない力もつきますし、バンドのサウンド作りにもなるので、倍音を絡めたチューニングは非常に有効です。

方法は、木管低音・バストロ・チューバの順で一人ずつあるいはパートごとに順番にB♭の音を重ねて行きます。この時に、B♭はもちろんですが、倍音である「B♭」「F」の音がまっすぐ綺麗に鳴っているか?というのもチューニングの基準に加味します。この時に鳴っているのをAグループとします。

安定してきたら、ユーフォ・ボーン・テナーサックス・ホルンも同様にAグループに重ねて、この中低音をBグループとします。この人たちが入ってきた瞬間に、倍音の数と大きさがグッと増すと良いです。

同じように次はアルトサックス・クラリネット・トランペットが入ります。この人たちはBグループまでの人たちが作ってきてくれた倍音「B♭」や「F」を基準にして重ねていくとスムーズです。一般的にCグループと呼ばれますね。

最後にDグループのオーボエ・フルート・ピッコロが入ってくれば完成です。Aグループから始まって鳴ってきている倍音が途切れることなく、かつB♭しか吹いていないのに、Bのハーモニーがうっすら聞こえるというのが理想です。

このチューニング方法のポイントは全員が倍音について理解と感覚を持っていることです。

じゃあ個々のチューニングは?

楽器の特性や仕組みによってチューニングのあり方は様々です。教本や学校で通常行なっているチューニングでまずは問題ないでしょう。

大切なのは、自分で音程を合わせるのではなく、もっとも楽器がよく鳴る、響きが充実している吹き方で吹いた時に正しい音程になるようにメインの管を調節することです。この点を徹底しなければ全体でのチューニングはおろか、個人チューニングも正しくできません。

まとめ

  • まずは個人チューニングを正しいやり方でしっかり
  • 基礎合奏の前のチューニングはバンド全体のチューニング
  • 倍音を使うと豊かなサウンドになる