【吹奏楽名曲紹介】交響詩「スパルタクス」(ヴァン・デル・ロースト)

「スパルタクス」ざっくり解説

「指輪物語」でお馴染みの世界的吹奏楽の巨匠ヴァン・デル・ローストの作品を日本に知らしめた大事な曲です。今でこそヨーロッパの吹奏楽作品が盛んに演奏されるようになりましたが、その先駆けとなった作品です。

近年は演奏される機械の少ないこの曲ですが、「カンタベリーコラール」をはじめ、ロースト作品は日本の吹奏楽のスタンダードとなりました。日本の吹奏楽の世界地図に「ヨーロッパ」と書き込んだ大変エポックな作品ともいえます。

演奏のポイント

中間部にリピート記号があり、思ったよりもスタミナが持っていかれる作品です。金管楽器のトップはさることながらハモり、内声を担当する2番3番といった奏者がしっかりと充実した響きを構築できるかが大きなポイントの一つになります。

コミカルな変拍子や緊張感あるパッセージなどの対比が難しい作品です。また、セクションごとのトゥッティでのパッセージも聞かせどころですので、練習やニュアンスの統一がしっかりしていると聴きやすい演奏になります。

中間部の見せ場の一つであるホルンのソリなどはしっかりと鳴らすことを心がけると、木管群のパッセージ、直管群のきらびやかなパッセージと対比が効きます。それだけホルンが重要な作品ともいえます。