「復興」ざっくり解説
東日本大震災の前の年である2010年にヤマハ吹奏楽団創立50周年を記念して作られた作品ですが、2012年に当時の東海大付属第四高等学校をはじめ、多くの団体が演奏し爆発的なヒットとなりました。
震災とは直接の関係はないものの、多くのバンドが「復興」という言葉を東日本大震災と繋げて演奏したのではないでしょうか。吹奏楽愛好家の中にも、東日本大震災のための曲と勘違いされている方もいるようです。
曲の生い立ちがどうであれ、重苦しく激しい前半や、儚げな中間部、そして感動的なフィナーレという構成から、音楽の力というものを意識させてくれる名曲だと思います。
「震災によって新たな意味が生まれた名曲」
前述の通り、本来はヤマハ吹奏楽団の50年の歴史と未来を描いた作品ですが、震災後に新しい意味が見出され盛んに演奏された稀有な曲です。
冒頭の重苦しい木管のパッセージが全編を通して奏でられるという音楽的にも優れた作品です。低音のパッセージが大変印象的な「動」の部分と、妖艶で悲しげなサックスソロの中間部、そして感動的なメロディが奏でられるクライマックスという非常に濃密な作品です。
決して簡単な曲ではありませんが、音楽作りとは何なのか?吹奏楽の魅力とは何なのか?を考える良い材料になる曲だと思います。