ヤマハ吹奏楽団委嘱による長生先生の「四季連禱」四部作の第三作で、夏をイメージした2002年の作品です。作品群の中で唯一、四楽章構成となっています。
作曲者によると、「夏、それも五月から定期演奏会の頃にかけての、陽の光が一際輝き、緑が映え、爽やかな風が心地よい季節を思い浮かべつつ作曲しました」とのことです。
一方で、「といっても、全四楽章からなるこの曲の終楽章だけが、そう言った『夏』を描いたもので、その前の三楽章は、この喜ばしい季節に到るまでの心の道筋と言ったらよいでしょうか、実際の気候の移り変わりではなく、時に悲しみ、あるいは憧れを抱き、あるいはそこへ向かって進もうとする、と言った気持ちの流れを音に託したものとなっています」としています。
「翠風の光」の名盤・名演
「珠玉の吹奏楽アルバム『四季連禱』」の全楽章版がイチオシ
筆者が吹奏楽のCDを集め始めた最初期の名盤です。収録曲全てが丁寧に演奏されていて、しっかりとした芸術音楽として成立した音源です。
一楽章から四楽章まで集中が途切れずに、かつ各楽章の空気感を十分に味わえる音源で大変オススメです。
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「なぜ銀賞なのか」 2004年 羽村市立第一中学校
このサイトでも紹介している書籍、「一音入魂!全日本吹奏楽コンクール名曲・名演 Part2」は、あまり審査結果に対して物申さない書籍ですが、この演奏は銀賞であることに「納得がいかない」と言及されています。
第一音のサウンドから本当に素晴らしい演奏です。100点満点中1000点!2019年の現在でも、これほどのサウンド、空気感を演出してくれるバンドはなかなか出会えませんし、これが2004年というから驚きです。
中学生でもこんなに素晴らしい演奏ができる!そんな勇気を与えてくれる演奏である以上に、勉強になる名演です!
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