2000年代に入って最初の大人気課題曲とも言える、福田先生の代表作です。2004年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲として数多くの団体に演奏されました。
新しいジャポニスム系
課題曲という短い時間の中でも「急緩急」というしっかりした構成と和の世界観が感じられる満足感の高い作品です。課題曲ということで、一般的な楽器を用いながらも十分に和風な演奏ができるよう工夫されています。
全ての楽器に美味しいところが多く、親しみやすい旋律なので今なお演奏会でのスタンダードとして演奏されています。
一方で、テンポの変化や場面転換はかなり難易度が高く、指揮者や奏者のセンスが問われる作品でもあります。それゆえに、様々な解釈や演奏があり、非常に興味深い作品です。
演奏のポイント
譜面をパッと見た感じ簡単ですし、さほどキツイ音域も設定されておらず、エゲツない連符もありませんが、丁寧なアプローチを心がけたい作品です。全編を通して共通のパッセージが使われていたり、意外と練って作られているスコアですので、正確さや丁寧さが奏者には求められます。
こういった作品の例に漏れず、どこまで和風にするのか?という問題はこの曲も出てきます。和風の作品で付点のリズムや決めどころの八分音符をどういったニュアンスで吹くか?という教材としても使える作品だと思います。
かなり管楽器にとって吹きやすい譜面であるがゆえに、音が飽和してしまうバンドがたまにあります。したがって、声部ごとにニュアンスや音量のバランスをしっかりと考えてサウンドを構築していくのがポイントになりそうです。