【吹奏楽名曲紹介】水文〜吹奏楽のための (中橋愛生)

毎年多くの吹奏楽オリジナル作品が発表されていますが、全国大会で金賞を取ることで話題にならないと、その後演奏される機会に恵まれないのが日本の吹奏楽界の寂しいところです。

この曲は、コンクールでも定期演奏会でも頻繁に新曲を披露してくれる鏡野吹奏楽団の2011年の委嘱作品です。

「水をテーマに描かれるライフストリームの世界」

タイトルにある水文とは、地球上での水の循環を表す単語で、その様子や、そのライフストリームの出どころの謎といったコンセプトを元に独特の世界観で情景がころころと変わっていく不思議な曲です。

全体としては、一括りの三拍子の流れに沿って曲が進行していき、打楽器をはじめとして多彩なオーケストレーションの移り変わりが楽しめます。

特に、ソプラノサックスが活躍する曲ですので、名手がいるバンドには是非挑戦していただきたい作品です。

大会音源は、神奈川大学のディオニソスや、東北福祉大学のニルマル・ヒルダイといった作品も入っており聞きごたえがあるCDです。