【吹奏楽名曲紹介】交響組曲「GR」 (天野正道)

一昔前、あるいは二昔前?の吹奏楽界で「天野正道先生といえばGR!」なんて方も多かったのではないでしょうか?

今もなお愛され続ける天野先生の代表作が「GR」です。交響組曲第二番、第三番、「トレインチェイス・エディション」、そして「シンフォニックセレクション」と、様々なバージョンがありますが、まとめちゃいました。

「コンクール史上初のアニメ音楽?」アニメを観てなくても泣ける名曲

「GR」とは「ジャイアント・ロボ」の略称であり、天野先生の交響組曲の多くはこう言ったイニシャルが表題としてつけられています。

1996年から全七作、7年にわたって製作された「ジャイアント・ロボ」は主題歌挿入歌はなく、すべて天野先生による管弦楽の音楽が使われ、ワルシャワ・フィルハーモニックによって録音されたそうです。

膨大なサウンドトラックの中から抜粋されたのが交響組曲第二番と第三番で、同じ「GR」ですが中身は異なっています。

絶大な人気を誇る「シンフォニック・セレクション」

この「GR」は近年、コンクールで演奏されることは少なくなりましたが、「シンフォニック・セレクション」は演奏会などで耳にする機会が多いように思います。このセレクションでは「国際警察機構のテーマ」と呼ばれる「泣きメロ」が盛大に奏でられ、涙腺崩壊間違いなしの名スコアとなっています。

この「シンフォニック・セレクション」は、後に紹介する浜松交響吹奏楽団の浅田亨氏がジャイアントロボのサウンドトラック全巻から抜粋・編集したアイデアを基にして作曲者である天野先生が編曲したもので、2001年の同団の定期演奏会のために書き下ろされ、初演された作品です。

「GR」名盤・名演

浜松交響吹奏楽団創立30周年記念CD「”GR”より シンフォニック・セレクション 〜明日への希望〜」

シンフォニック・セレクションの全曲盤にして名盤です。浅田さんと浜響の胸アツな演奏を楽しめます。団員の思いが込められているというか、プロの演奏とは少し違った感動を味わえます。

非常に内容の濃いCDですので、2000年代を代表する一枚として持っておきたい作品です。ライナーノーツも素敵です。

「伝説の名演」 2001年 浜松交響吹奏楽団 浅田亨指揮 金賞

このクオリティ、この感動は令和になっても色あせることはないでしょう。この演奏を聞くとGRをもはややりたくなくなるほどの名演です。

コンクール演奏という事もあって奏者のエネルギーが凝縮されている演奏で、私はこれで吹奏楽にハマりました。オーケストラとの表現の比較が論じられる事もある吹奏楽ですが、オケ好きの人にもぜひ聞いてもらいたいものです。

とにかく、この演奏以外に特に語ることはありません!解散!