「吹奏楽のための第一組曲」ざっくり解説
吹奏楽の古典といえばこの曲!と言っていいほどの名曲です。この曲を知らずして吹奏楽は語れないと言っても過言ではないでしょう。
委嘱作品が多い吹奏楽ですが、この作品に関してはホルストが自発的に作曲した作品とされています。一部の楽器編成に改定が加われたり、伊藤康英先生による校訂版といった、いまだに研究されている作品ですが、ほぼ現代の一般的な吹奏楽の編成で書かれており、音楽史上初の吹奏楽曲と言える作品です。
ただし!演奏してみると意外と難しい……こんな曲なら最近の現代曲の方が簡単なのでは?というほど難しいです。クラシカルな譜面をしっかりと演奏して、お客さんに聞いてもらえる演奏にするのは難しいなと感じさせる一曲です。
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演奏について 〜読者の皆様から〜
ごまかしが聞かないスコア
この作品は吹奏楽の古典として親しまれていますが、クラシカルな書法で書かれているため、非常に難しい作品の一つです。とにかく、ごまかしが効かない譜面で、吹いてみるとわかりますが、吹奏楽に親しんだ人にとってはかなり辛いものだと思います。
また、この時代の吹奏楽作品らしさなのか、とにかく休みが少なく、吹きっぱなしになるパートが多く、大変なスタミナが要求されます。シンプルな作りゆえの難しさ、クラシックの約束に沿った解釈とアンサンブルが必要とされるので、気軽に挑戦するのは避けたほうが無難でしょう。
特に、調声に従った和音の進行の感覚や、雰囲気作りにもこだわりたい作品ですね。