【吹奏楽名曲紹介】ウィンドオーケストラのためのバラッド(高 昌帥)

「バラッド」ざっくり解説

西洋と朝鮮音楽の融合

この曲は2014年に西宮市吹奏楽団のために書かれた曲です。2015年に高校の部で二団体が演奏し話題となりました。技術的にかなり難しく、特にごまかしの効かないアンサンブルが必要な曲です。

西洋のタランテラと、朝鮮の伝統音楽を組み合わせながら場面が変化していく作品です。オーケストレーションや書法に少し工夫がされていて、正確なアナリーゼが求められる曲でもあります。

高先生の作品らしく、自らのルーツである朝鮮系の舞曲の要素を盛り込んだ作品となっております。後半の躍動的かつメロディックなクライマックスは聞いていても吹いていても本当に心地よい作品です。疲れますけどね笑。

演奏について 〜読者の皆様から〜

やっぱり難しい

全体を通してリズムの解釈の共有が大切です。タランテラの部分もそうですが、遅い部分の細かい「タターーーン」というニュアンスもしっかりと共有しないと意外とキマリません。フィンガリングが難しい木管を中心にリズムが転んだり、訛ったりしますので、訓練が必要でしょう。

高先生のオーケストレーションの特徴として、思ったよりも声部が少ないということが挙げられます。極めて室内楽的というか、スッキリしたスコアに驚く方も多いのではないでしょうか?

だからこそ、ごまかしが効かず、伴奏の音価などもサボると変な穴が開くことがあります。役割分担と、声部ごとのニュアンスの統一が大きなポイントになるでしょう。他の作曲家の作品よりも、全パートとも「よく吹けること」が重要になってくる作品です。